解体工事 見積書について

解体工事の見積書の項目について解説します。

解体業者に見積りを依頼する際には相見積りを取るのか一般的になってきていますが、担当者に現地調査をしてもらい、いざ見積書を提示されたとき、どんな点に注意すればよいのでしょうか?

まず、解体工事費用の見積りの項目ですが、次のようなものがあります。

●仮設工事費用
これは、施工前に足場を組み、鉄パイプを組んで養生シートで建物を囲う費用で、いわば、下準備にかかる費用ですね。
水道管の移設工事、道路が割れたりしないように鉄板を敷く養生の費用もここに含まれていることがありますし、別途見積りとなっている場合もあります。

●建物解体費用
内部解体、外部解体、建物解体などといった項目で、建物本体の解体費用です。
また、内部解体は手作業で、外部解体は重機で施工されますので、人力解体・機械解体などのような内容で書かれていることもあります。

●設備撤去費用
ガス、電気、水道などを撤去する費用です。
電気は電力会社、電話はNTTに依頼すれば無料で撤去してくれる場合がありますので、事前に撤去を済ませておくことをおすすめします。
ただし、水道に関しては粉塵飛散を防止するために、施工中に使いますので、業者と相談の上決定してください。

●外構撤去費用
塀や庭石、池、倉庫や車庫、樹木などの建物の周りの部分です。
車庫にコンクリートが打ってあれば、その粉砕費用がかかりますし、土間などもこの外構撤去費用になります。

●廃棄物運搬費用・処分費用
解体で出される廃材の運搬や処分にかかる費用です。
廃材は建設リサイクル法の定めにより適正に分別し処分する必要があります。
この廃棄物の処分費用ですが、自治体ごとに料金が決まっていますので、業者によってそれほど差が出ることはありませんが、その費用が高額なため、解体工事の見積り金額の中でも占める割合が大きいのが特徴です。
また、分別する費用を別途見積もっている場合もあります。

●残土運搬費用・処分費用
解体工事で発生した残土の運搬や処分にかかる費用です。
残土も廃材と同じく産業廃棄物ですので、適正な処分をする必要があります。

●各申請費用
建設リサイクル法申請や道路占用許可申請などの各申請にかかる費用です。
その他、周囲の状況により、警備員の配置が望ましい場合には、警備会社に依頼する費用などがあります。
この判断は、どの程度通行に影響が出るかなど業者との打ち合わせの段階で決めておいたほうが、後々近隣とのトラブルを防ぐことが出来ると思います。

大雑把な見積書はダメ?

各項目が細かく書かれている見積書が良く、大雑把に「○○一式」などと書かれている見積書を提示する業者はおすすめしない、というようなことを目にすると思います。
もちろん、工事費用を比較検討するために相見積もりをするのですが、あまりにも大雑把すぎて内容を比較できない、というような業者は避けたほうがよいでしょう。
見積りが大雑把=解体工事も大雑把、というのは一概に当てはらないとしても、相見積もりの意味がありません。

どのような場合に追加の費用が発生するの?

では、どのような場合に追加の費用が発生するのでしようか?
見積書には備考欄がありますが、そこに書かれていることをよく読んでおきましょう。
例えば、別途工事が必要な場合の内容など、追加費用が発生する可能性があれば、この備考欄に書かれています。

その他、地中に浄化槽やコンクリートの塊などが埋設されている場合など、実際に工事を開始してみなければわからないことや、建材にアスベストを使っている場合には、飛散防止のために慎重に解体する必要がありますので、その分費用が追加されます。

解体工事の見積書は専門用語の羅列ですが、わからないことは業者にどんどん質問してみましょう。
丁寧に教えてくれます。